添わる
そわる
動詞
標準
文例 · 用例
金の千成瓢箪に又一ツ大きな瓢箪が添わるものだろうか、それとも北条氏|三鱗の旗が霊光を放つことであろうか、猿面冠者の軍略兵気が真実其実力で天下を取るべきものか。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
」「十分に――」 さすがに、雪之丞のうしろすがたに、サーッと、凄味が添わる。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
人はあの冷たく滑かなものを口中にふくむ時、あたかも室内の暗黒が一箇の甘い塊になって舌の先で融けるのを感じ、ほんとうはそう旨くない羊羹でも、味に異様な深みが添わるように思う。
— 谷崎潤一郎 『陰翳礼讃』 青空文庫
蹴ったくそわるいさかい、オギアオギアせえだい泣いてるとこイ、ええ、へっつい直しというて、天びん担いで、へっつい直しが廻ってきよって、事情きくと、そら気の毒やいうて、世話してくれたンが、大和の西大寺のそのへっつい直しの親戚の家やった。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
蹴ったくそわるいさかい、亭主の顔みイみイ、おっさんどないしてくれまんネいうて、千度泣いたると、亭主も弱り目にたたり目で、とうとう俺を背負うて、親父のとこイ連れて行きよった。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
第二の精霊 お主の心の花の咲くのをまちかねて居るのじゃ、幼子の様なお主の瞳にかがやきのそわるのをまちかねて居るのじゃ。
— 宮本百合子 『葦笛(一幕)』 青空文庫
アナトール・フランスが諷刺したように、空壜のように「行儀よく並んでつぎこまれる」のをおそわるのではなく、学びとる自立的な態度をもとめている。
— 宮本百合子 『若い人たちの意志』 青空文庫
「これをですか」 千三は中学校一、二年生の国語漢文読本をおそわるつもりであった、いま大学という書を見て急におどろいた。
— 佐藤紅緑 『ああ玉杯に花うけて』 青空文庫