聞き止める
ききとめる
動詞
標準
文例 · 用例
しかしその詩を一句も聞き止めることができなかった。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
上の巻の口、住吉のあられ松原毒酒の段で、酒をすゝめた上で言ひ寄つた玉手の言葉に、(俊徳丸が)立退き給へば縋り付き、母呼はり、聞きとむない。
— 折口信夫 『玉手御前の恋』 青空文庫
伊原は絶えず戸外の物音に耳をすませていて、なにか聞きとめると、反射的に神経を緊張させ、眼をぎらぎら光らせた。
— 山本周五郎 『十八条乙』 青空文庫
三 竹童をとり逃がして卜斎は、不意の燦光に目をいられて、一時は、あたりがボーッとなってしまったが、廊下を走ってゆく足音を聞きとめると同時に、「うぬッ」 憤然として、その真ッ暗な部屋からかけだした。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
その笛のふきかたに約束の音があるものとみえ、九兵衛はふと聞きとめると、あわてて小銭を置いてそこを立ち、「もし、導引さん、――おい、導引」 呼び止めると、座頭は足をとめて、「へ。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
そして、真っ暗な中に正体もなく寝そべっている鼾を聞きとめると、「宅助、宅助」 手荒く揺すぶって、「起きろ!
— 船路の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫