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金盥

かなだらい
名詞
1
標準
文例 · 用例
子供は床の中で目を覚まして、その鏡台のある隣りの部屋で、お母さんが頭の生地を綺麗にするために使ふ布が、小さな金盥の中の熱いお湯に漬けられては絞られる時の、お湯の滴の音を聞いてゐます。
中原中也 家族 青空文庫
小さい金盥に、タオルを畳んでいれて、それを水にひたして、ブラシをそのタオルに押しつけては水をつけ、それでもって、シャッシャッと摩擦するのである。
太宰治 パンドラの匣 青空文庫
」 すっと立って、まだ摩擦もすまないのに、金盥をかかえてさっさと部屋から出て行ってしまった。
太宰治 パンドラの匣 青空文庫
昨夜の七時半の摩擦は、約一週間ぶりでマア坊の番に当って、マア坊は左手に金盥をかかえ、右手をエプロンの下に隠し、にやりにやりと笑いながらやって来て、僕のベッドの側にしゃがみこんで、「意地わる。
太宰治 パンドラの匣 青空文庫
あの、大掃除の翌る日、マア坊が朝の八時の摩擦に、金盥をかかえてひょいと部屋の戸口にあらわれ、そうして笑いを噛み殺しているような表情で、まっすぐに僕のところへ来た。
太宰治 パンドラの匣 青空文庫
竹さんは、さっさと摩擦をすませて、金盥をかかえ、隣りの「白鳥の間」へ摩擦の応援に出かけて、そのあとへ、マア坊がにやにや笑ってまたもや僕のベッドを訪れ、小さい声で、「竹さんに、何か言った。
太宰治 パンドラの匣 青空文庫
5 七時の摩擦の時には、キントトと、マア坊と、カクランと、竹さんが、それぞれ金盥をかかえて「桜の間」にやって来た。
太宰治 パンドラの匣 青空文庫
からだを洗う金盥のお湯が熱すぎると言って、金盥をひっくり返してしまったのだそうだ。
太宰治 正義と微笑 青空文庫