不知不識
ふちふしき
名詞名詞-の形容詞
標準
being unaware of what one is doing
文例 · 用例
不知不識其方へと路次を這入ると道はいよいよ狭くなって井戸が道をさえぎっている。
— 寺田寅彦 『根岸庵を訪う記』 青空文庫
それである一つの歌と次の歌とが表面上関係はないようでも、それから少し下層へ掘込んで行くとどこかで、しっかり必然的につながっているように思われ、それを掘込んで行くときに結局|不知不識に自分自身の体験の世界に分け入ってその世界の中でそれに相当するつながりを索めることになります。
— 寺田寅彦 『書簡(※)』 青空文庫
それから気が付いて考えてみると、近頃少し細かい字を見る時には、不知不識眼を細くするような習慣が生じているのであった。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
「いったい俺は今夜あの男をどうするつもりだったんだろう」 生島は崖路の闇のなかに不知不識自分の眼の待っていたものがその青年の姿であったことに気がつくと、ふと醒めた自分に立ち返った。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
しかしその少し強制がましい調子のなかには、自分の持っている欲望を、言わば相手の身体にこすりつけて、自分と同じような人間を製造しようとしていたようなところが不知不識にあったらしい気がする。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
石田はなにか芝居でも見ているような気でその窓を眺めていたが、彼の心には先の夜の青年の言った言葉が不知不識の間に浮かんでいた。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
向日性を持った、もやしのように蒼白い堯の触手は、不知不識その灰色した木造家屋の方へ伸びて行って、そこに滲み込んだ不思議な影の痕を撫でるのであった。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
「のっぺらぽー」そんなことを不知不識の間に思っていましたので、それは私にとって非常に怖ろしい瞬間でした。
— ――或はKの溺死 『Kの昇天』 青空文庫
作例 · 標準
毎日同じルートで通勤しているうちに、不知不識のうちに周囲の景色に興味を持たなくなっていた。
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親の口癖を、子供は不知不識に覚えて真似するようになるものだ。
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彼は不知不識のうちに、会社の重要機密に関わるプロジェクトの中心人物になっていた。
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