迹
迹
名詞
標準
文例 · 用例
それでは、かような点に関して、龍麿は自分の見出した古代の特別の仮名遣についてどういう風に考えておったかというに、これは何か発音の区別によるものであろうというようなことを考えておったような形迹もありますけれども、実ははっきりしたことは判りませぬ。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
そうしてこれを歴史的に見ますと、平安朝に入るとその例外がますます多くなって来て、そうして醍醐、村上の御代になりますと、かような区別のあった痕迹も見えないのであります。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
富士の権現は信濃の国|浅間大神と、一神両座の垂迹と信ぜられていたところから、浅間菩薩ともいい、富士|浅間菩薩とも呼んだりしたが、本元の浅間山の方は、一の鳥居があるだけで、御神体は、山そのものに宿るとしてあるから、神社の鎮座がない。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
先生の俳句を年代順に見て行くと、先生の心持といったようなものの推移して行った迹が最もよく追跡されるような気がする。
— 寺田寅彦 『夏目先生の俳句と漢詩』 青空文庫
この一群れの迹に残りて語合う女あり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
詩に曰く、良驥 色 羣に同じく、至人 迹 俗に混ず。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
永楽亭楡木川の崩を記する、鬼母の一剣を受くとなし、又|野史を引いて、永楽帝|楡木川に至る、野獣の突至するに遇い、之を搏す、攫されてたゞ半躯を剰すのみ、※して而して匠を殺す、其迹を泯滅する所以なりと。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
清閑の池亭の中、仏前|唱名の間々に、筆を執って仏|菩薩の引接を承けた善男善女の往迹を物しずかに記した保胤の旦暮は、如何に塵界を超脱した清浄三昧のものであったろうか。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫