後ろ姿
うしろすがた
名詞頻度ランク #21207 · 青空 634 例
標準
(a person's) appearance from behind
文例 · 用例
焜炉の火に煙草をすっていて、自分と等しく奈々子の後ろ姿を見送った妻は、「奈々ちゃんはね、あなた、きのうから覚えてわたい、わたいっていいますよ」「そうか、うむ」 答えた自分も妻も同じように、愛の笑いがおのずから顔に動いた。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
自分も声を掛けなかった、三人も菓子とも思わなかったか、やがてばたばた足音がするから顔を出してみると、奈々子があとになって三人が手を振ってかける後ろ姿が目にとまった。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
ばアさん、泣きの涙かなんかでかあいい男を新橋まで送ったのは、今から思うと滑稽だが、かあいそうだ、それでなくてあの気の抜けたような樋口がますますぼんやりして青くなって、鸚鵡のかごといっしょに人車に乗って、あの薄ぎたない門を出てゆく後ろ姿は、まだ僕の目にちらついている。
— 国木田独歩 『あの時分』 青空文庫
それぎりで客へは何の挨拶もしない、その後ろ姿を見送りもしなかった。
— 国木田独歩 『忘れえぬ人々』 青空文庫
石井翁は取り残されて茫然と河田翁の後ろ姿を見送っていた。
— 国木田独歩 『二老人』 青空文庫
自分の席から二つ三つ前方の席に、向こうをむいて腰かけている老人の後ろ姿が見えていた。
— 寺田寅彦 『三斜晶系』 青空文庫
自分は日あたりを避けて楢林の中へと入り、下草を敷いて腰を下ろし、わが年少画家の後ろ姿を木立ちの隙からながめながら、煙草に火をつけた。
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
「いや、結構でした、明日がたのしみです」 信吉はいい加減に返答しながら、挨拶もせずに楽屋へ引きあげて行った冴子の後ろ姿を見送っていた。
— 織田作之助 『夜の構図』 青空文庫
作例 · 標準
例句