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雛壇

ひなだん
名詞
1
標準
文例 · 用例
黒棚、御廚子、三棚の堆きは、われら町家の雛壇には些と打上り過ぎるであろう。
泉鏡花 雛がたり 青空文庫
どれも小さなほど愛らしく、器もいずれ可愛いのほど風情があって、その鯛、鰈の並んだ処は、雛壇の奥さながら、竜宮を視るおもい。
泉鏡花 雛がたり 青空文庫
不思議や、蒔絵の車、雛たちも、それこそ寸分違わない古郷のそれに似た、と思わず伸上りながら、ふと心づくと、前の雛壇におわするのが、いずれも尋常の形でない。
泉鏡花 雛がたり 青空文庫
緋の毛氈は、何処のか座敷から柳の梢を倒に映る雛壇の影かも知れない。
泉鏡花 雛がたり 青空文庫
店一杯に雛壇のような台を置いて、いとど薄暗いのに、三方を黒布で張廻した、壇の附元に、流星の髑髏、乾びた蛾に似たものを、点々並べたのは的である。
泉鏡花 伯爵の釵 青空文庫
もっとも東の雛壇をずらりと通して、柳桜が、色と姿を競った中にも、ちょっとはあるまいと思う、容色は容色と見たけれども、歯痒いほど意気地のない、何て腑の抜けた、と今日より十段も見劣りがしたって訳は。
泉鏡花 南地心中 青空文庫
雛壇を遠くから眺めると、支那の壺の模樣のやうに見えます。
太宰治 國技館 青空文庫
角の柳光亭の楼上、楼下は雛壇のような綺羅びやかさを軒提灯の下に映し出しています。
岡本かの子 生々流転 青空文庫