小寺
しょうじ
名詞
標準
文例 · 用例
庵のような小寺で、方丈の濡縁の下へ、すぐに静な浪が来ました。
— 泉鏡花 『甲乙』 青空文庫
銀紙卷きたる腸詰肉を柱とし、ロヂイ産の乾酪を穹窿としたる小寺院中にて酪もて塑ねたる羽ある童の舞ふさまは、我最初の詩料なりき。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
婦人作家の○○さんなら、近ごろここへ來てゐるとか新聞にあつたから、ひよッとすると出會ふかも知れないとは思つてたが、小寺健吉氏とは僕も思ひも寄らなかつた。
— 岩野泡鳴 『鹽原日記』 青空文庫
是亦義隆創立なりしが旧年火ありて今は一小寺なり。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
五陣生駒甚助政勝、小寺官兵衛|孝隆、木下勘解由左衛門尉、大塩金右衛門、山内一豊。
— 菊池寛 『賤ヶ岳合戦』 青空文庫
去るに臨んで番語で猴に言い付ける、たまたま訳史聞き得て来って呉に告げたは、客、猴に教えて汝飲まず食わずば必ず縛を解かるべし、その時速やかに逃れ去れ、我は十里外の小寺中に俟ち受けんというたと。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
「されば由緒もなき無格の小寺も、本山への献金によつて寺格を進めらるることのあれば、昨日にび色の法衣着たる身の今日は緋色を飾るも、また黄金の力たり。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
小寺の塔の下からは賑かな笑ひ聲が高く聞えて來ると、彼の母が卵を兩手に持つて塀の横から現れた。
— 横光利一 『悲しみの代價』 青空文庫