拓
たく
名詞
標準
文例 · 用例
と歌つた小出の林は、その頃から既に伐採されて、楢や櫟の木が無慘に伐られ、白日の下に生生しい切株を見せて居たが、今では全く開拓されて、市外の遊園地に通ずる自動車の道路となつてる。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
それからして演繹し、彼等一流の運命開拓法を説くのである。
— 萩原朔太郎 『易者の哲理』 青空文庫
大手拓次といふ名の字面から浮ぶ聯想は、何かしらがツちりした、骨組の太い、血色の好い、四角張つた人間のやうに思はれる。
— 萩原朔太郎 『名前の話』 青空文庫
然るに何を感じたのか、後年になつてそのペンネームを廃め、本名の大手拓次で詩を書き出してから、作品と名前との聯想関係が、全くちぐはぐのものになつてしまつた。
— 萩原朔太郎 『名前の話』 青空文庫
人垣は急に崩れて、大風に偃す野草の如く、芳の通路を拓けども、何分多人數であるから、幾重にも犇犇と垣あり。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
『邪魔するな、ヤイ』前に立つた男を突き飛ばして、なお吼けり行かんとする先に、亦もや手を拓げた一人。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
(吉川惣一郎は今日の改名した大手拓次で、近頃「近代風景」で大に活動されてる詩人である。
— 萩原朔太郎 『追憶』 青空文庫
それに、人間印象があつて観念がないといふことはあるけれど、実際云つて観念があつて印象がないといふことはあり得べからざることであるに鑑み、詩が小説よりも観念寄りといふよりは寧ろ印象寄りの仕事であることからして、詩がもつとよく開拓せられてから小説が関心されに到ることが物の順序でもあつたであらう。
— 中原中也 『よもやまの話』 青空文庫