物為る
ものなる
名詞
標準
文例 · 用例
然るに素質的な詩人でない人々は、こうした主観的態度でなく、他の客観によって事物を見るから、たとい形式に於て韻律の規約を蹈み、或は和歌や俳句の格調を借用しても、真の文学的な批判に於て詩と言い得ないものしか出来ない。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
吾人の測量された地図によれば、日本から世界の公道に通ずる道は、ただ一つの直線されたものしかない。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
ただ、ものものしく暗い。
— 太宰治 『故郷』 青空文庫
故作家と生前、特に親交あり、いま、その作家を追慕するのあまり、彼の戯れにものした絵集一巻、上梓して内輪の友人親戚間にわけてやるなど、これはまた自ら別である。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
K君 おそるおそる、たいへんな秘密をさぐるが如き、ものものしき仕草で私に尋ねた。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
最も呑気そうに見えるべきはずのこれらの人達が今日の私の眼には妙にものものしい行列のように見えた。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
当時の格子と云えばナベルト(Nabert)の作ったガラス製のものしかなかった。
— 寺田寅彦 『レーリー卿(Lord Rayleigh)』 青空文庫
燕尾服をつけた給仕が、銀盆に一枚の名刺を置いて、ものものしく妾達の卓子の前で、黒い尾を折りました。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫