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一円札

いちえんさつ
名詞
1
標準
one-yen bill
文例 · 用例
そして、ツリに、一円札を四枚、金をまとめて野戦郵便局へ持って行く小使から受取った。
黒島傳治 青空文庫
五円札と、五十銭札と、一円札とが合せて十円ぐらい入っている。
黒島伝治 渦巻ける烏の群 青空文庫
金を払うのに古い一円札ばかり十円出すのだったら躊躇するぐらいだ。
黒島傳治 窃む女 青空文庫
私は、言いつけられたとおりにそこへ置いたとたん、さっと夕風が吹いて来て、その紙幣が庭へ飛び散りまして、一円札でも何でも、私にとっては死ぬほどの苦労をして集めて来た大金です、思わず、あっと声を挙げて庭に降りてその紙幣の後を追った時の、みじめな気持ったら比類の無いものでございました。
太宰治 男女同権 青空文庫
「何さ、変な声を出して……」 そう言いながら、お加代は娘の手から札束を掴み取ったが、薄暗がりですかしてみると、十円札は一枚しかなく、あとは五十銭札と一円札ばかり、全部で三十円にも足りなかった。
織田作之助 夜光虫 青空文庫
お袋がいずれ挨拶に来るというので、僕はそのまま辻車を呼んでもらい、革鞄を乗せて、そこを出る時、「少しお小遣いを置いてッて頂戴な」と言うので、僕は一円札があったのを渡した。
岩野泡鳴 耽溺 青空文庫
地獄か極楽へ行くつもりで、香奠を皆飲んで終うた人間が、この世に生き返ったらドウすればええのじゃ」 度を失った医者はポケットから昨日の皺苦茶の一円札を出して三拝九拝した。
夢野久作 近世快人伝 青空文庫
「さう、それぢや後はあんたに、」 客は一円札を皿の傍へ置くと、帽子を直しながら起ちあがつた。
田中貢太郎 青空文庫
作例 · 標準
祖父の遺品整理中、古い革財布から色褪せた一円札が出てきて、家族みんなで昔話に花が咲いた。
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「この一円札は、今じゃ博物館級の品だよ」と、鑑定士は目を輝かせながら言った。
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戦後の物不足の時代、一円札一枚でも家族の食卓を支える貴重な存在だったという。
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学生時代に読んだ小説には、主人公が一円札を握りしめて一日を過ごす描写があり、当時の物価を想像した。
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