恐れ気
おそれげ
名詞
標準
fear
文例 · 用例
しかも非人同様の姿ながら恐れ気もないその態度と、プンプンする熟柿臭い異臭が、いかにも不快な感じを与えたらしい。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
何んの恐れ気もなく、平和に、純潔な、そして園の心におのずと涙ぐましさを誘うような淋しさ、――淋しさではない。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
その中でただ一人、恐れ気もなくその枕もとに坐りつづけているのは、彼が愛娘の小坂部であった。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
」 かれは恐れ気もなく一と足すすみ出て、自分を打ち仰いでいる異国の男の怪しく輝いた眼をしずかに瞰おろした。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
会葬者の注視を引いた事などには、何の恐れ気もないように、翼を拡げた白|孔雀のような、け高さと上品さとで、その踏段から地上へと、スックと降り立ったのは、まだうら若い一個の女性だった。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
――江戸の陰間茶屋と言えば、芝の神明裏と湯島の天神下と、一方は増上寺、一方は寛永寺と、揃いも揃って女人禁制のお寺近くにあるというのに、京はまたかくのごとく女には不自由をしない曲輪手前に、恐れ気もなく店を張っているのも、都ならでは見られぬ景物に違いない。
— 京へ上った退屈男 『旗本退屈男 第四話』 青空文庫
「ほほう、揃うてお見送りか、夜中大儀々々」 少しあの向う傷の事を考えればよいのに、さッと恐れ気もなく行く手を塞いだのは八九名。
— 身延に現れた退屈男 『旗本退屈男 第六話』 青空文庫
身共も少し学問がありすぎて、御意に召さぬかな」 召すにも召さないにも、こうやんわりと不気味に、しかも一向恐れ気もなく釣竿を肩にしたまま、大手|搦め手両道から説き立てられては、いかに気負いの藩士でもぐッと二の句に詰ったのは当り前です。
— 三河に現れた退屈男 『旗本退屈男 第五話』 青空文庫
作例 · 標準
例句