その足で
そのあしで
表現副詞
標準
straight (from one place to another)
文例 · 用例
」 「もうお前の耳に這入ってるだろうが、実は先刻石松が旅から帰って来たンだ」 「そ、そうですってね」 「帰って来た事は確かに帰って来たンだが、直ぐ又その足で旅に出たんだ」 「嘘おっしゃい」 「嘘じゃねえ。
— 山中貞雄 『森の石松』 青空文庫
質屋に奉公していたときの故朋輩が、堀の内の近所に住んでいるのを思い出して、千次郎はその足ですぐ堀の内へたずねて行った。
— 帯取りの池 『半七捕物帳』 青空文庫
自分はその足で散髪屋へ入った。
— 梶井基次郎 『泥濘』 青空文庫
何せ眉山の大海といってね、有名なものなんだからね、その足でやられたんじゃ、ミソも変じてクソになるのは確かだ。
— 太宰治 『眉山』 青空文庫
夕暮に僕は横浜|野毛町に桂を訪ねると、宿の者が「桂さんはまだ会社です」というから、会社の様子も見たく、その足で会社を訪うた。
— 国木田独歩 『非凡なる凡人』 青空文庫
夕暮に僕は横浜野毛町に桂を訪ねると、宿の者が「桂さんはまだ会社です」というから、会社の様子も見たく、その足で会社を訪うた。
— 国木田独歩 『非凡なる凡人』 青空文庫
これは人間の祖先の猿が手で樹枝からぶら下がる時にその足で樹幹を押えようとした習性の遺伝であろうと言った学者があるくらいであるから、猫の足踏みと文明人のダンスとの間の関係を考えてみるのも一つの空想としては許されるべきものであろう。
— 寺田寅彦 『備忘録』 青空文庫
ややしばらくして、何という弱々しいことだと自分をたしなめて、おぬいは立ち上ると、障子を締め、その足でラムプを茶の間に運んで火をともした。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫