炭庫
たんこ
名詞
標準
文例 · 用例
コロッパス(石炭運び)は、石炭庫の中で、頭じゅうをこぶだらけにするのを、どうしても免れるわけには行かなかった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
罐前の火夫や石炭庫のコロッパスは、デッキまで孑孑のように、その頭を上げに来た。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
じいつと、頭を下げたなり聞いてゐますと、二人は、今晩、この倉から時計をとり出して、すべての英国船の石炭庫へ入れこむ計画をしてゐるのです。
— 鈴木三重吉 『勇士ウ※ルター(実話)』 青空文庫
空隙のあらん限り押し込んでしまうので、石炭を積む処は炭庫以外に殆んど無いと云っていい。
— 夢野久作 『難船小僧』 青空文庫
石炭庫の口が半開きになって、ひんやりした真暗な内を、無気味に覗かせていた。
— 小林多喜二 『蟹工船』 青空文庫
暫く考えた後、「宜し、乗せて行く」 猿のように為吉は高い側を攀じ登って、料理場の前の倉庫口から側炭庫へ逃げ込んだ。
— 牧逸馬 『上海された男』 青空文庫
絶対に日光を見ない船底の生活、昼夜を分たない石炭庫の労働、食物其他の虐待から半年と命の続く者は稀だった。
— 牧逸馬 『上海された男』 青空文庫
いってえ、あの梨を剥く時手前に借りた此の小刀が好くねえ、おまけにあれで指を切ってるじゃねえか」 その小刀を逆手に持って為吉は奥炭庫の前の鉄梯子に腰を掛けながら、白痴のようににたにたと笑った。
— 牧逸馬 『上海された男』 青空文庫