実正
じっしょう
名詞
標準
文例 · 用例
「今度こそ二人とも事実正銘の孤児になりましたのね」「うん、なった。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
お受はいたすが、余所ながら様子を見て、いよ/\実正と知れてから手を着けたいと、折り入つて申し出た。
— 森鴎外 『大塩平八郎』 青空文庫
世間の噂は皆|実正なり。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
相尋ねたいことがある故、至急出頭せいとの……」「エッ御差紙が……至急出頭せい……貴方のお父様へ……そ……それは実正……」 赤猪口兵衛は余りに唐突な話に肝を潰したらしい。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
「……実正……実正どころでは御座いません。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
何んでも平和の会議はここだという事、――時計と平和の関係を考えることは、一見愚なようだが、地上最も風光明媚な土地が、誰からも守護せられ、永久の平和を保ち得られるという特権を受け、それを誇りとする人々の感謝と奉仕が、最も確実正確な時計を世に贈るという仕事――これがただ事であろうか。
— 横光利一 『欧洲紀行』 青空文庫
故に其子の男女長少に論なく、一様に之を愛して仮初にも偏頗なきは、父母の本心、真実正銘の親心なるに、然るに茲に女子の行末を案じて不安心の節あるやなしやと問えば、唯大不安心と言うの外なし。
— 福沢諭吉 『新女大学』 青空文庫
然るに今この家においては斯る盛大なる国教もその力を伸ぶること能わずして、戸外の公務なるものに逢えば忽ちその鋒を挫き、質素倹約も顧みるに遑あらず、飲酒不養生も論ずるに余地なく、一家内の安全は挙げてこれを公務に捧げ、遂には人間最大一の心得たる真実正直の旨をも欠くことなきにあらず。
— 福沢諭吉 『教育の事』 青空文庫