闇路
やみじ
名詞
標準
dark road
文例 · 用例
幽かに言ひし一言あはれ千万無量の思ひを籠めて、まこと闇路に迷ひぬべき事なるを、引受けし我れ其甲斐もなく、世の嗤笑に為しも終らば、第一は亡き妹に対し我が薄井の家名に対し、伯母が身は抑も何とすべき。
— 樋口一葉 『雪の日』 青空文庫
それが、たださえ暗い胸の闇路を夢のようにたどっている人間だとすれば、これはむしろ当然すぎるほど当然なことである。
— 寺田寅彦 『蒸発皿』 青空文庫
悪戯が蒿じて、この節では、唐黍の毛の尻尾を下げたり、あけびを口に啣えたり、茄子提灯で闇路を辿って、日が暮れるまでうろつきますわの。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
されど我を煩悩の闇路よりすくひいで玉ひし君、心の中には片時も忘れ侍らず。
— 森鴎外 『文づかひ』 青空文庫
一夜は宵より庭をめぐり、三たびか鞭もて追ひしものを、夜ふけて林檎の下葉がくれ、守る身も忘れて夢に入れば、こはまた、下枝の風にのりて、語るよ、小狐聲も低く母見ぬ闇路を庭にかくれ、人の子戀ひ行く汝が身なるに、雛鳩與へよ、否といはば、翌くる夜鳴かまし、君が影に。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
げに虚なる朽木の幹にひそめるけら蟲は風雅の森のそこなひぞ、鉤けて食ひね、てらつゝき、また人の世の道なかば闇路の林ゆきまよふ惱の人を導きて歡樂山にしるべせよ。
— 上田敏 『牧羊神』 青空文庫
鯖名といふ温泉にて雨にふられ、旅のうさ今更覚えけるを、廓ありと聞きて、宿屋の庭下駄に知らぬ闇路踏んで、凌霄咲く門に這入りける。
— 正岡子規 『旅』 青空文庫
濃紫ゆかりの譜をばいとせめて闇路ながらに歌はまし、いざと思へど、あやなくに玉の緒みだる。
— 蒲原有明 『春鳥集』 青空文庫
作例 · 標準
夜遅く、人気のない闇路を一人で歩くのは心細かった。
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彼の人生は、まるで闇路をさまようようだった。
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遠くに見える明かりを目指し、闇路を進んだ。
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