皆空
かいくう
名詞
標準
文例 · 用例
此夜明けには止むだろう、此日の入りには止むだろうも皆空だのみであった。
— 伊藤左千夫 『大雨の前日』 青空文庫
よそのお子皆空気草履はいたアる」「阿呆んだら。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
憐れむべし剛勇みづから恃める相馬小次郎将門も、こゝに至つて時節到来して、一期三十八歳、一燈|忽ち滅えて五彩皆空しといふことになつた。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
」と、仕事にかかりながらも皆空を仰いだ。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
凡ての植物が有つて居る緑素は悉皆空が持つて居るのだ。
— 長塚節 『土』 青空文庫
純一は自分の右も左も皆空席になっているのに気が附いて、なんだか居心が悪くなった。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
同伴者がペコペコに腹が減っていたのだから無論、大食漢の頭山満氏も空腹を感じていたに相違ないのであるが、何しろ飯屋は愚か、百姓家すら見当らないので、皆空腹を抱えながら日の暮れ方まで歩き続けた。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
見ると七人の持ち人の内真中の一人だけは黄色の着物を着たお爺さんで、あとの六人は皆空色の着物を着た十二三の男の児であった。
— 夢野久作 『白髪小僧』 青空文庫