禁野
きんや
名詞
標準
emperor's private hunting preserve
文例 · 用例
岩氏の娘は河内の禁野の里に嫁したが、口は禍ひの本と父に懲りて唖で押通した。
— 南方熊楠 『人柱の話』 青空文庫
父の弔いに大願寺を建て、一生孤独で終わろうとしたのだったが、その並みならぬ容色にこがれて言いよる若者のうちで、ひときわ熱烈なひとりの情にほだされて、河内の禁野の里に嫁したのです。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
古えの「禁野」、推古の朝の薬狩のところ、そこを伊勢路へかかって東海道へ出る道と、長瀬越えをして伊賀へ行く路とが貫いて通っております。
— 三輪の神杉の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「夏になったらこれで、じょきんじょきんやるんだね。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
「人もし死なばまた生きんや」は、人死ぬも再生すべきかとの問題の提出である。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
十四章十四節においては「人もし死なばまた生きんや」との来世問題を一の疑問として提出せし有様であったが、再生の要求彼に根深くして、遂に十九章に至っては二十六節の如き明白なる来世信仰を抱くに至ったのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
私達の避難したのは、神田の或裏通りにある「きんやさん」という、父の懇意にしていた、大きな問屋だった。
— 堀辰雄 『幼年時代』 青空文庫
それからその家の主人の、「きんやさん」といつも私の父母が親しそうにしていた大旦那のことも、それから私達の世話をよくしてくれたそのお内儀さんのことも、殆ど私の記憶から失われている。
— 堀辰雄 『幼年時代』 青空文庫