潜り
くぐり
名詞頻度ランク #23367 · 青空 235 例
標準
side door
文例 · 用例
そうして、水はこれらの石の間を潜り、上を辷って蜿ねる。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
イワス(岩壁の截り立っているところ)にぶつかると、水が深くて急であるから、森の中へ潜り込む、そうしてまた森から吐き出されては、谷の中へと飛び込む。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
禁制の官林に潜り込んで、何か内密の稼ぎをするらしい。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
当主は、寝ている処を、いきなり丸太ん棒、それも樫の木の、潜り門用の閂でドサッとやられたので、遺言を書こうにも書くまいにも、眼の覚める暇がなかったのであった。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
船室に潜り込んだが最後、もう頭が上がらぬ。
— 寺田寅彦 『汽船の改良』 青空文庫
出来ることなら老女が自分を乗せかけている果しも知らぬエスカレーターから免れて、つんもりした手製の羽根蒲団のような生活の中に潜り込みたいものだと思った。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
他人の研究を記述した論文を如何によく精読したところで、その研究者自身の頭の中まで潜り込む事が出来ない以上は、その人の得た結果を採用するという事にはやはりこのイズムの匂がある。
— 寺田寅彦 『鸚鵡のイズム』 青空文庫
板石と水の隙間は、やっと勝子の頭ぐらいは通せるほどだったので、兄は勝子を差し上げながら水を潜り、下手でようやくあがれたのだった。
— 梶井基次郎 『城のある町にて』 青空文庫