捐
捐
名詞
標準
文例 · 用例
可憐な都会の小学児童まで動員してこの木枯しの街頭にボール箱を頸にかけての義捐金募集も悪くはないであろうが、文化的国民の同胞愛の表現はもう少し質実にもう少しこくのあるものであってもよいと思われる。
— 寺田寅彦 『新春偶語』 青空文庫
半分馬鹿にしていて、孤児院の義捐なんざ賛成せんです。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
かの新聞で披露する、諸種の義捐金や、建札の表に掲示する寄附金の署名が写実である時に、これは理想であるといっても可かろう。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
帽子を脱ぎてその中に入れたるを、衆人の前に差し出して、渠はあまねく義捐を募れり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
しかるに君が既に千金を捐てて贋品を有っているということになると、君は知らなくても自分は心に愧じぬという訳にはゆかぬではないか。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
諸将士を諭して曰く、戦の道、死を懼るゝ者は必ず死し、生を捐つる者は必ず生く、爾等努力せよと。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
生は相憐れみ、死は相捐つという諺がある。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
しかし普通の慣例の如くに然様いう社会事相を進捗させるには定基の愛着は余りにも深くて、力寿は死んで確かに我を捐てたけれども、我は力寿を捐つるには忍びなかった。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫