小賢
しょうけん
名詞
標準
文例 · 用例
……瀬の音を横切つて、竹の脚を、蹌踉めく癖に、小賢しくも案山子の同勢橋板を、どゞろ/\とゞろと鳴らす。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
ワルトンは、栗色の髪を油でこてこてにした頭を、女の顔にぶっつかる程突き出して、褐色の瞳を小賢かしく、女の瞳に向き合せながら、幾分細長い顔にちょいちょい小皺を寄せる。
— 岡本かの子 『決闘場』 青空文庫
先生もこれには少し行き詰まったので僕は畳みかけて『つまり孟子の言った事はみな悪いというのではないでしょう、読んで益になることが沢山あるでしょう、僕はその益になるところだけが好きというのです、先生だって同じことでしょう、』と小賢しくも弁じつけた。
— 国木田独歩 『初恋』 青空文庫
僕は一か月も大沢の家へ通ううち、今までの生意気な小賢しいふうが次第に失せてしまった。
— 国木田独歩 『初恋』 青空文庫
「こんな夜中にどこへおいでになるんですか」 小賢しい老女がこちらへ歩いて来るふうである。
— 空蝉 『源氏物語』 青空文庫
母親がそっと小原に様子を訊いてみると、小賢しい小原はえへら笑いばかりしていて容易に話さなかった。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
霰……北国に住み慣れた人は誰でも、この小賢かしい冬の先駆の蹄の音の淋しさを知っていよう。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
いつガンベに小賢かしいという感じを与えて、油を搾られないとも限らない不安がつき纏って離れなかったから。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫