触れ出し
ふれだし
名詞
標準
文例 · 用例
勿論、早速にその筋へ訴え出るやら、神に祷るやら、四方八方をたずね廻らせるやら、手に手を尽くして詮議したのですが、遂にそのゆくえが判らないので、父の銭翁は昼夜悲嘆にくれた末に、こういうことを触れ出しました。
— 剪燈新話 『中国怪奇小説集』 青空文庫
それからすぐに銭翁の家をたずねて、かのむすめを引き渡すと、翁はおどろき喜んで、かねて触れ出した通りに李を婿にしました。
— 剪燈新話 『中国怪奇小説集』 青空文庫
忠通が頼長誅伐を触れ出しても、味方にまいる者は少ないかのう」と、彼はこの世を呪うように物凄い溜息を長くついた。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
それにしても、無代価という触れ出しでは定めて非常な混雑であろうと、今日の人たちはおそらく想像するであろうが、実際は無代価にしろ、半値段にしろ、初日は案外にさびしいものであった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
それについては、歌舞伎座自身も多少の不安を感じていたらしく、また「め組の喧嘩」に対する宣伝の必要からででもあろう、今度の「道成寺」は団十郎が女舞の一世一代であるということを触れ出した。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
高木氏は演説会の会場前へいつも高木尾崎立会演説と大きく触れ出したものだ。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
一人|探し出したものには金三十両ずつやると触れ出したところ、港の漁夫らが集まって来て、松明をつけるやら、綱をおろすやらして探した。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
風のたよりに聞けば、松本領なぞでは金札相場を二割引きに触れ出したとのこと。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫