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未曽有

みぞう
名詞
1
標準
文例 · 用例
いらざるむだ口を善光寺|辰にたたいておいて、横っとびに向こうへ飛んでいったと思われましたが、ほどなく宿場育ちの屈強な裸人足を引き連れてまいりましたので、いよいよここにまこと伝六のことばのごとく、城持ち大名と捕物名人の古今|未曽有な力と知恵の一騎打ちが、いまぞ開始されんず形勢とあいなりました。
七化け役者 右門捕物帖 青空文庫
一つ朝に、同じ場所へ三人もの捨て子をするとは、なにごとも日の本一を誇る江戸においても、まさに古今|未曽有前代|未聞のできごとだったからです。
卒塔婆を祭った米びつ 右門捕物帖 青空文庫
もう一つには藤原氏の長者という大いなる威勢をひとに示そうとする政略の意味も幾分かまじって、きょうの饗宴は彼として実に未曽有の豪奢を極めたものであった。
岡本綺堂 玉藻の前 青空文庫
世界が日本を中心として新時代の文明を経営すべき未曽有の時期は正に迫らむとす。
石川啄木 閑天地 青空文庫
これも全くの偽造文書を証拠として山林を下げ戻されたるにて、只今大阪から和歌山県に渉り未曽有の大獄検挙中なり。
南方熊楠 神社合祀に関する意見 青空文庫
わけて明暦の大火は江戸未曽有の大火であったから、市民は由比丸橋の残当の放火であろうと言って恐れ戦いた。
田中貢太郎 日本天変地異記 青空文庫
あの第一次世界戦争を機会として日本の資本主義は著しい発展を遂げたが、私の大学を卒業した大正九年は、それが未曽有の大恐慌に見舞われた年として記憶される年である。
三木清 読書遍歴 青空文庫
その夏僕は、訓育(実科)では未曽有の十九点何分(二十点満点)で一番、学科では十八点何分で二番、操行ではこれまた未曽有の十四点何分で下から一番、平均して三十五番か六番かという成績表を持って、今までの僕にはなかった陰欝な少年となって新発田へ帰った。
大杉栄 自叙伝 青空文庫