成り掛け
なりかけ
名詞
標準
文例 · 用例
殆んど疲勞といふことを感じないであらうかと怪しまれる彼等は益々興に乘じて少し亂雜に成り掛けた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
彼は暫く好な煙草に屈託して居たが漸く日が暖く成り掛けたので、稀に生存して居る往年の朋輩や近所への義理かた/″\顏を出す積で外へ出た。
— 長塚節 『土』 青空文庫
彼は次第に懷の工合が善く成り掛けたので、今では其の勢ひづいた唐鍬の一|打は一|打と自分の蓄へを積んで行く理由なので、彼は餘念もなく極めて愉快に仕事に從つて居るやうに成つたのである。
— 長塚節 『土』 青空文庫
「喫茶店」が「サロン・ド・テー」になりかけているけはいもみえる。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
(自分に友人のないことは、この偏屈と我がままのためであつた、折角親しくなりかけても、それですぐ不和になつてしまふ。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
それは上皮の雪は、気泡を含むことが多いから、白いのであるが、下の方まで穿って見ると、圧搾のために、白さが次第に減じて、氷粒になりかけて、普通の氷に見られるような透明な碧さを有っている。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
―― 一人前の水夫になりかけていた、水夫見習は、もう夕飯の支度に取りかからねばならない時刻になった。
— 葉山嘉樹 『労働者の居ない船』 青空文庫
死人は、もう冷たくなりかけていた。
— 葉山嘉樹 『労働者の居ない船』 青空文庫