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泥溝

どろどぶ
名詞
1
標準
文例 · 用例
去勢されたような男にでもなれば僕は始めて一切の感覚的快楽をさけて、闘争への財政的扶助に専心できるのだ、と考えて、三日ばかり続けてP市の病院に通い、その伝染病舎の傍の泥溝の水を掬って飲んだものだそうだ。
太宰治 青空文庫
このあいだ近所の泥溝に死んでいた哀れなのら猫の子も引き合いに出て、同じ運命から拾い上げられて三毛に養われ豊かな家にもらわれて行ったあのちびがいちばんの幸運だというものもあれば、御隠居さんばかりの家に行った赤がいちばん楽でいいだろうというものもあった。
寺田寅彦 子猫 青空文庫
自分もその海水浴のときに「玉ラムネ」という生れて始めてのものを飲んで新しい感覚の世界を経験したのはよかったが、井戸端の水甕に冷やしてあるラムネを取りに行って宵闇の板流しに足をすべらし泥溝に片脚を踏込んだという恥曝しの記憶がある。
寺田寅彦 海水浴 青空文庫
二人は売場を離れて、仕方なしに線路ぞいの柵について泥溝くさい裏町をしばらく歩いた。
徳田秋声 仮装人物 青空文庫
混凝土の泥溝をもった道路が、青い雑草の中に砂利の直線で碁盤縞に膨れあがった。
佐左木俊郎 都会地図の膨脹 青空文庫
何処の道路だって、泥溝際のどころは少し残してあるもんだから。
佐左木俊郎 都会地図の膨脹 青空文庫
四 煉瓦の塀に沿うて泥溝の流れが淀んでいた。
佐左木俊郎 街底の熔鉱炉 青空文庫
煉瓦塀の中の工場から流れ出したアンモニアの臭気がその泥溝の上へいっぱいに拡がり漂っていた。
佐左木俊郎 街底の熔鉱炉 青空文庫