欠脣
けつくちびる
名詞
標準
文例 · 用例
「誰だい」 振り返ってみると、それは衣裳をあつかっている定吉という者で、年はもう四十五六の、顔に薄あばたのある兎欠脣の男であった。
— 人形使い 『半七捕物帳』 青空文庫
定吉は兎欠脣を食いしめながら、紋作を憎さげに睨んで出て行った。
— 人形使い 『半七捕物帳』 青空文庫
あの二階の隅のほうに坐っている薄あばたの兎欠脣の男は衣裳屋の職人だろう。
— 人形使い 『半七捕物帳』 青空文庫
あの定という野郎をここへ呼んでくれ」 お浜に呼ばれて降りて来た兎欠脣の定吉は、すぐに近所の自身番へ連れてゆかれた。
— 人形使い 『半七捕物帳』 青空文庫
半七の想像通り、かれは自分の店へ手伝いにくるお浜のあどけない姿に眼をつけて、ときどきに小遣いなどをやって手なずけようとしていたが、お浜には紋作というものが付いているので、かれは兎欠脣の男などに眼もくれなかった。
— 人形使い 『半七捕物帳』 青空文庫
「親分」 袂をひかれて半七はふり返ると、兎欠脣の定吉がうしろに立っていた。
— 人形使い 『半七捕物帳』 青空文庫
兎欠脣の定吉という奴も、そのあくる年の正月にやっぱり酒の上で喧嘩をして、相手に傷を付けたので、吟味中に牢死しました。
— 人形使い 『半七捕物帳』 青空文庫