敵本主義
てきほんしゅぎ
名詞
標準
diversionary tactics
文例 · 用例
元来の出発点が敵本主義で、芸術的の発奮があった訳でも何でもないのであるが、ともかくも木戸銭を取って観客を呼ぶ以上、なにかの売物がなければならないので、彼らはその目的の政談以外に一つの売物をかんがえた。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
主張は一つの敵本主義を仮定する。
— 戸坂潤 『クリティシズムと認識論との関係』 青空文庫
T子が相手の恋を敵本主義の裏打ちものとウスウス感付いていた事は、今話した通りであるが、今一つにはそのWが、甚しい肺病の家筋で、本人の体質がその事実を遺憾なく証明している事を、その頃になって初めて聞き知ったからで、この点についてWはT子に対して全然、事実を偽っていた事が、同時に判明したからであった。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
兼山の採ったこの方法は即ち敵本主義の側面立法であって、民心を刺激すること寡なくしてしかも易俗移風の効多きものである。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
また独身者は農産物を炊事場に出すのを忘れてこつそり女舎に貢いだり、将を射んとせば先づ馬を射よで、相手の娘の兄のところへ提供して敵本主義をやる。
— 北條民雄 『癩院記録』 青空文庫
認識が本来模写ということだという点を、古来の形而上学に対する敵本主義故に見逃したことが、カントの物自体の問題をクリティカルな袋路に追いやったのである。
— 戸坂潤 『現代唯物論講話』 青空文庫
全く無反省な敵本主義的な冷酷さが、私には強い印象を与える。
— 三好十郎 『恐怖の季節』 青空文庫
されば佐助に憎しみをかけ春琴の美貌が一朝恐ろしい変化を来たしたらあいつがどんな面をするかそれでも神妙にあの世話の焼ける奉公を仕遂げるだろうかそれが見物だと云う全くの敵本主義からでも決行しないとは限らない。
— 谷崎潤一郎 『春琴抄』 青空文庫
作例 · 標準
彼はライバルに自分の手の内を見せないよう、あえて偽の情報を流すという敵本主義をとった。
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その外交交渉は最初から敵本主義であり、真の要求を通すために別の問題を大きく見せていた。
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「あいつの怒り方は敵本主義だ。本当に気に食わないのは、あの件じゃなくてこっちのことだよ」
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