洗い水
あらいみず
名詞
標準
文例 · 用例
お庄は手洗い水を持って行って、襖の蔭で聞いていた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
神明様の手洗い水で顔でも洗っておいでよ。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
建武中、飛騨の牛丸摂津守の居城敵兵に水の手を切られ苦しんだ時、白米で馬を洗い水多きように見せて敵を欺き囲を解いて去らしめた。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
観音様の手洗い水よ。
— 国枝史郎 『柳営秘録かつえ蔵』 青空文庫
ほんの1878年にペッテンコーファーは多くの人たちは24時間に1クォート(約1リットル)の洗い水で満足しミュンヘン市で入浴設備をもつ家は特例である、と述べた(17)。
— Civilization And Disease (1943) 『文明と病気』 青空文庫
ところがその隣りの吉原という村には、そういう結構な井戸がないばかりでなく、今でも吉原の赤脛といって、村の人が股引をはくと病気になるといい伝えて、冬も赤い脚を出しているのは、やはりある姥が股引を洗濯していて、せっかく水を一ぱいくれといわれた弘法大師に、その洗い水を打ち掛けたからだといっております。
— 柳田國男 『日本の伝説』 青空文庫
「お待ち遠さまで」 と、仁吉は剃り上げた剃刀の毛を、指でしごいて、「松、洗い水を」 と、下剃へ吩咐けた。
— 吉川英治 『治郎吉格子』 青空文庫
どうせ、風呂へゆくから、洗い水にゃ、及ばねえよ」 抛るように、髪結銭をおくと、治郎吉は、われながら、慌てすぎると思いながら、さっと、土間障子をはやく開けて、往来へ、出てしまった。
— 吉川英治 『治郎吉格子』 青空文庫