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爾々

爾々
名詞
1
標準
文例 · 用例
」「実は……」と莞爾々々、「その気なきにしもあらずだよ。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
隔ては一重で、つい目の前の、丁子巴の紋を見ると、莞爾々々と笑いかけて、黙って引込むと、またばたばたばた。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
」主税は狼狽えて、くるりと廻って、そそくさ扉を開いて、隣の休憩室の唾壺へ突込んで、喫みさしを揉消して、太く恐縮の体で引返すと、そのボオイを手許へ呼んで、夫人は莞爾々々笑いながら低声で何か命じている。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
)と莞爾々々笑って、澄まして袷を掻取って、襟を合わせて、ト背向きに頸を捻じて、衣紋つきを映した時、早瀬が縁のその棚から、ブラッシを取って、ごしごし痒そうに天窓を引掻いていたのを見ると、「そんな邪険な撫着けようがあるもんですか、私が分けて上げますからお待ちなさい。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
これは背の抜群に高い、年紀は源助より大分|少いが、仔細も無かろう、けれども発心をしたように頭髪をすっぺりと剃附けた青道心の、いつも莞爾々々した滑稽けた男で、やっぱり学校に居る、もう一人の小使である。
泉鏡花 朱日記 青空文庫
学士が驚いた――客は京の某大学の仏語の教授で、榊三吉と云う学者なのだが、無心の小児に向っては、盗賊もあやすと言う……教授でも学者でも同じ事で、これには莞爾々々として、はい、今日は、と言った。
泉鏡花 みさごの鮨 青空文庫
何か、茸に酔った坊さんが、山奥から里へ迷出たといった形で、手をたたき、たたき、例の玄関の処へ出て、これなら聞えようと、また手を敲こうとする足許へ、衝立の陰から、ちょろりと出たのは、今しがた乳母どのにおぶわれていた男の児で、人なつッこく顔を見て莞爾々々する。
泉鏡花 みさごの鮨 青空文庫
「その居士が、いや、もし……と、莞爾々々と声を掛けて、……あれは珍らしい、その訳じゃ、茅野と申して、ここから宇佐美の方へ三里も山奥の谷間の村が竹の名所でありましてな、そこの講中が大自慢で、毎年々々、南無大師遍照金剛でかつぎ出して寄進しますのじゃ……と話してくれました。
泉鏡花 半島一奇抄 青空文庫