気を持たせる
きをもたせる
表現動詞-一段
標準
to encourage someone to expect something
文例 · 用例
情熱の深い人だが、それが歌舞妓風な動作やあくせんとでは自由に流動して来ないやうな所が残つてゐて、そこに異質の芸風が保留せられてゐるのではないかと言ふ気を持たせる。
— 折口信夫 『花の前花のあと』 青空文庫
ことに、あれほど荒っぽく三階の梯子段を踏み鳴らしながら、上ったのか、下りたのか、それっきり立消えがしてしまったのでは、徒らに人に気を持たせるばかりのものです。
— めいろの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「何だか、中身を名乗りなよ」「当ててみな」と、米友としては変に気を持たせるような返答ぶりでしたけれど、ワザと言うのでないことは、すぐに自問自答で底を割ってしまったことでわかるのです。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
利助 今頃になつて、変に気を持たせるのは止して下せえよ。
— 三好十郎 『地熱』 青空文庫
伝次はモーニングの膝をキチンと折って畏まり、キッと林を睨むようにしながら、「ありようは、只今申しあげたとおりでござんすが、そのほかにも何か安直じゃねえ筋合があるらしく、妙に気を持たせるんでございます。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
こういうことの相談相手は君の外にはないのだから」「何だか、妙に気を持たせるね。
— 江戸川乱歩 『猟奇の果』 青空文庫
「明智君、いやに気を持たせるじゃないか。
— 江戸川乱歩 『一寸法師』 青空文庫
「あつちのウチぢや、酒と料理の外に、麻雀、碁将棋、トランプ、花フダ、遊び道具を取り揃へてお客が自分のクラブのやうに寛いだ落つきをもたせるやうにするんだな。
— 坂口安吾 『金銭無情』 青空文庫