応揚
おうあげ
名詞
標準
文例 · 用例
百人長は応揚に左手を広げて遮りつつ、「待て、ええ、屁でもない喧嘩と違うぞ。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
「何か」と今度は応揚である。
— 泉鏡花 『化鳥』 青空文庫
何しろWはその当時の角帽連の中でも、特別|誂えの好男子、兼秀才で、おまけに物腰が応揚で、叮嚀で、透きとおる程親切……だという、この方面に対する絶好の条件ばかり、倶有していたんだから敵わない。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
どうも、「早稲田文学」の小説欄がふるはぬといふ評判をきゝますが、新作家のものは別段に他の雑誌よりも選択が応揚すぎるとも見へないが、それは、つまり、いろいろな事情で既成作家の力篇が載らぬといふことに違ひありません。
— 牧野信一 『浪曼的月評』 青空文庫
」純造は仕方がなくワザと応揚に駒下駄を引きずつて「春宵の一刻……と云ふ詩を知つてるかえ――僕はね昨べもこんな風に独りで随分遅く迄散歩したんだよ。
— 牧野信一 『坂道の孤独参昧』 青空文庫
」 露骨な言葉に極めて初心な西岡は、応揚な手付で盃を運むでゐる態度に似つかずクスクスと笑ひながら、「或は……ぢやない。
— 牧野信一 『坂道の孤独参昧』 青空文庫
」と樽野は、いつの間にかすつかり応揚な心地に変つてゐた。
— 牧野信一 『村のストア派』 青空文庫
値段を訊くとその都度は、まあ/\と応揚さうにわらつてゐながら、仕事の集金を自ら引受け、日当とも材料代ともつけずに収入の半分をとつてしまふと、御面師は愚痴を滾した。
— 牧野信一 『鬼涙村』 青空文庫