罵り声
ののしりごえ
名詞
標準
文例 · 用例
その中には、ロシアの津々浦々、到るところで、馬を励ましたり、急き立てたりする時に浴びせる、いろんな掛声だの、滅多矢鱈な、あらゆる罵り声だのが取り入れてあった。
— または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 『死せる魂』 青空文庫
踊ったり唄ったりで、広場は隅々まで沸きたっている、その間にも荷役の人夫たちは、喚き声や罵り声に急きたてられながら、三四十貫ずつもある貨物を鉤に掛けては背負い掛けては背負い、どしどし豌豆や小麦を深い船底へ積みこみ、燕麦や挽割麦の俵をころがしこむ。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
龍太は僕の罵り声が次第に激しく(何故なら僕はその後龍太に出会ふ毎に、激しく毛嫌ひするマキノ氏像を思ひ出すので。
— 牧野信一 『凩日記』 青空文庫
話しながらでも、奥の罵り声がひびく度毎に亭主は、稲妻にでも射られるかのやうに堪らぬ身震ひをして思はず立ちあがらうとするのであつた。
— 牧野信一 『泉岳寺附近』 青空文庫
喚き声、罵り声、悲鳴、呻吟、剣と剣と触れ合う音、太刀と太刀と切り結ぶ音、ワッワッと云う大叫喊が、瞬時に町を引っ包んだ。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
まごまごしているとこんどは本当に毒ガスをひっかけるぞ」 そういう声は、たしかにこの前の怪塔王の罵り声でありました。
— 海野十三 『怪塔王』 青空文庫
物を投げる音は直ぐ止んだが、罵り声はまだ止まない。
— 国枝史郎 『前記天満焼』 青空文庫
それを労る若い者の声、村人の口々に騒ぐ声、土音|拗音でよくわからないが、鬼を、鬼を――という罵り声を聞いていると、どうも、鬼を生捕ってでも来たものでもあるらしい。
— 恐山の巻 『大菩薩峠』 青空文庫