畳紙
たとうがみ
名詞
標準
文例 · 用例
更けゆくまゝに燈火のかげなどうら淋しく、寝られぬ夜なれば臥床に入らんも詮なしとて、小切れ入れたる畳紙とり出だし、何とはなしに針をも取られぬ。
— 樋口一葉 『あきあはせ』 青空文庫
ですから、病院へ入ったあとで、針箱の抽斗にも、畳紙の中にも、皺になった千代紙一枚もなく……油染みた手柄|一掛もなかったんですって。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
其の中から、畳紙を出して、ころ/\と手で揺りながら軒の明前へ持つて出た。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
そのかわり、お前にあげようと思って、宿で頼んで、間に合わせに拵えておいたからッて、畳紙に入っていたの。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
「この畳紙の字は右大将の字です。
— 榊 『源氏物語』 青空文庫
何のまじないに使ったものか、青竹にはさんだ祈願用の小さな畳紙です。
— 卒塔婆を祭った米びつ 『右門捕物帖』 青空文庫
だれも恵んだ者がねえにかかわらず、まだ三つ一も減っちゃいねえところを察すると、ぞうりを脱いで、はんてんを脱いで、あめをしゃぶらせて、おっかあは来ねえか、母は帰らねえかと、首を長くしながら様子を探っているこの畳紙の文句の書き手の子どもがふたり、どこかに隠れているはずだよ。
— 卒塔婆を祭った米びつ 『右門捕物帖』 青空文庫
この畳紙をぞうりの中にはさんでおいたは、なんのいたずらじゃ」「それはその――」「それはその、どうしたというのじゃ」「なんともはや面目ござりませぬ。
— 卒塔婆を祭った米びつ 『右門捕物帖』 青空文庫