銜む
くくむ
動詞
標準
文例 · 用例
父親は美しい息子が紺飛白の着物を着て盃を銜むのを見て陶然とする。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
友の書いて呉れた詞句に依るべく、桂子は花を銜むといふより、むしろ花に噛みつき、花へ必死に取り縋つた。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
瞬く中に、百本の矢は一本の如くに相連り、的から一直線に續いた其の最後の括は猶弦を銜むが如くに見える。
— 中島敦 『名人傳』 青空文庫
瞬く中に、百本の矢は一本のごとくに相連なり、的から一直線に続いたその最後の括はなお弦を銜むがごとくに見える。
— 中島敦 『名人伝』 青空文庫
少女は誰が飲みほしけむ珈琲碗に添へたりし「コップ」を取りて、中なる水を口に銜むと見えしが、唯|一※。
— 森鴎外 『うたかたの記』 青空文庫
唇に触れて冷やかさを覚えさせる此杯を、己は楽んで口に銜む。
— BALTHASAR ALDRAMIN. KURZE LEBENSGESCHICHTE AUS DEM ALTEN VENEDIG. 『復讐』 青空文庫
一口口に銜むと、ほろ苦い顔をして吐き出してしまった。
— 橘外男 『ウニデス潮流の彼方』 青空文庫