身回り
みまわり
名詞
標準
文例 · 用例
お多根の身回り道具を持ち出していった以上は、十中八、九兄妹ふたりして出奔したか逐電したか、いずれにしても今ごろまで浪宅にいる気づかいはあるまいと思われたのに、家の中から、よよと泣き合う忍び音が漏れ聞こえるのです。
— 因縁の女夫雛 『右門捕物帖』 青空文庫
女中は、予め本宅の方の掃除から、その他の色々の仕度をさせますので、妾達より一足先に今朝早く帰京させました為、主人の外出しました後は、妾一人で身回りの荷仕度などしていたので御座居ます。
— 大阪圭吉 『花束の虫』 青空文庫
そして、アントアネットがもじもじしてる一部の原因はその貧しいゆえだと、たやすく推察し得たので、きれいな身回りの品を与えようとまでした。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
早く東京へ帰ったほうがいいわ」 すぐにも発てるように、波子は俺にかわって、身回り品をトランクに片づけたと言う。
— 高見順 『いやな感じ』 青空文庫
マア坊は、すぐには答えず、四辺を素早く身廻した。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
ですから、全員に嵌口令を敷き、夫人の身廻り品を、どこか眼につかない場所に隠したのでしょう。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
といって、ブラブラさせては不安がるだろうというので、おもにジェソップ氏の身廻りの用をさせていた。
— 小栗虫太郎 『一週一夜物語』 青空文庫
世間じゃあいろいろのことを云いふらす者もあって、何がなんだか判らねえ」「どんなことを云い触らすんだね」 云いながら長次郎は身をかがめて、又もやその墓のまわりを身廻していた。
— 小女郎狐 『半七捕物帳』 青空文庫