藐
藐
名詞
標準
文例 · 用例
藐姑射山に住むといふ神女の飲みさうな冷たく幽邃な匂ひのするコツプの液汁を飲み、情熱の甘さを植物性にしたやうな果肉を掬つて喰べてゐると、歳子はこころがいよ/\楽しくなつた。
— 岡本かの子 『夏の夜の夢』 青空文庫
譬えて似つくものも今すぐ思い出せませんけれども、強いて言ってみれば、女学校時代に漢文の先生が話して呉れた藐姑射の山の神女とかいうものでも持って来るより仕方がございますまい。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
古くさい書物|棚から、唐守、藐姑射の刀自、赫耶姫物語などを絵に描いた物を引き出して退屈しのぎにしていた。
— 蓬生 『源氏物語』 青空文庫
藐姑射山人は荘子から出てゐること論を待たない。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
是は此篇を藐視する消極の言ではなくて、此篇を嫉視する積極の言である。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
しかし若し考証の煩を厭ふならば、其人はこれを藐視して已むべきで、これを嫉視するに至るべきでは無い。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
二百の谷々を埋め、三百の神輿を埋め、三千の悪僧を埋めて、なお余りある葉裏に、三藐三菩提の仏達を埋め尽くして、森々と半空に聳ゆるは、伝教大師以来の杉である。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
注に『説文』曰く、〈睨は斜視なり、劉長曰く、邪睨邪視なり〉、同上、麗服|藐流眄、一顧|傾城とある*を、山岡明阿の『類聚名物考』一七六に引いて、邪視をナガシメと訓じあるを見あてた。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫