馬蠅
うまばえ
名詞
標準
文例 · 用例
その内も、娘は外へ出ては帰って来て、膝枕をさせて、始終|集って来る馬蠅を、払ってくれたのを、現に苦みながら覚えています。
— 泉鏡花 『薬草取』 青空文庫
マラリア、デング熱の病原蚊、睡眠病の蠅、毒蚋、ナイフのような吻の大馬蠅の Tufwao ああ、その大集雲!
— 有尾人 『人外魔境』 青空文庫
おまけにそこには、馬蠅が一匹、わたしの足音も聞えないように、べったり食いついて居りましたっけ。
— 芥川龍之介 『藪の中』 青空文庫
おまけに其處には、馬蠅が一|匹、わたしの足音も聞えないやうに、べつたり食ひついて居りましたつけ。
— 芥川龍之介 『藪の中』 青空文庫
精神のたわいない移り気、柔軟性、「蚊のような彼等の痛みを観察しつつ」二十一歳になったマクシム・ゴーリキイは自分を「馬蠅の雲の中へ脚をとられた一匹の馬のように」感じるのであった。
— 宮本百合子 『マクシム・ゴーリキイの発展の特質』 青空文庫
と思ふと鈍い翅音がして、青黒い一匹の馬蠅が、ぺたりと私の手の甲に止まつた。
— 芥川龍之介 『槍ヶ嶽紀行』 青空文庫
私は半ば動顛しながら、一打ちにその馬蠅を打ち殺した。
— 芥川龍之介 『槍ヶ嶽紀行』 青空文庫
」と言った時、※した古法帖の上に大きな馬蠅が飛んで来たので、老人は立って追いながら、「過を改むるに憚ること勿れ。
— 永井荷風 『つゆのあとさき』 青空文庫