送り迎える
おくりむかえる
動詞
標準
文例 · 用例
高い欅が白茶けた幹を路の左右に並べて、彼らを送り迎えるごとくに細い枝を揺り動かした。
— 夏目漱石 『彼岸過迄』 青空文庫
そういう嘉門を送り迎えるのは、手広い荒れ庭の草や木であった。
— 国枝史郎 『娘煙術師』 青空文庫
池に面した揚出しの古びた格子窓を眺めやりながら、ふっと、その内らから老人ふたりの徐かな話し声が洩れてくるような気がして耳をすましてみたが、聞えるのは客を送り迎える小女たちの嗄れて甲高い声ばかりであった。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
きのうからきょう、きょうから明日と、長い見とおしと計画とによって充実した力のむらのない日を送り迎えることはなかなかつくし難い味です。
— 一九三八年(昭和十三年) 『獄中への手紙』 青空文庫
彼女は、列車の窓が次々に送り迎える巍然たる街衢、その街衢と街衢との切れ目毎にちらつく議事堂の尖塔を遠望すると、今更に九年の歳月と云うものの長さ、―――その間には帝都の変貌のみならず、自分や自分の身の周りにもさまざまな推移のあったことが回顧された。
— 中巻 『細雪』 青空文庫