幻辞.com

猫々

猫々
名詞
1
標準
文例 · 用例
ちょっと読者に断っておきたいが、元来人間が何ぞというと猫々と、事もなげに軽侮の口調をもって吾輩を評価する癖があるははなはだよくない。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫
だが奇賊烏啼天駆にいわせると、袋猫々なる迷探偵などは歯牙にもかけていないそうで、袋めは奇賊烏啼を捕えて絞首台へ送ってみせると日頃から宣伝を怠らず、その実一度だって捕えたこともなく、つまりは袋探偵は余輩天駆の名声に便乗し虚名をほしいままにしているのだとある。
烏啼天駆シリーズ・1 奇賊は支払う 青空文庫
これに対して、探偵袋猫々は曰く、「烏啼天駆の如き傍若無人の兇賊を現代に蔓らせておくことは、わが国百万の胎児を神経質にし、将来恐怖政治時代を発生せしめる虞れがある。
烏啼天駆シリーズ・1 奇賊は支払う 青空文庫
兇賊烏啼天駆は一日も早く絞首台へ送らざるべからず、而して今日彼を彼処へ送り得る能力ある者は、僕猫々を措いて外になし」と。
烏啼天駆シリーズ・1 奇賊は支払う 青空文庫
賊天駆と探偵猫々と、どっちの言分が正しいのか、今はここにちゃんと割切ってみせて答を出す必要はなかろう。
烏啼天駆シリーズ・1 奇賊は支払う 青空文庫
そういう仁義に欠ける者は、猫畜生に劣る」 犬畜生というべきところを猫畜生といったのを勘考すると、烏啼天駆は袋猫々を歯牙にもかけずといいながら、実はやっぱり常日頃、心の隅に探偵猫々の姿を貼りつけて、多少気にしているものと見える。
烏啼天駆シリーズ・1 奇賊は支払う 青空文庫
(こういう事件は、警察へ話すよりも、先ず袋猫々探偵に相談した方がいい。
烏啼天駆シリーズ・1 奇賊は支払う 青空文庫
猫々探偵なら、奇賊烏啼を扱うには誰よりも心得ているだろうから、奇賊をして繭子夫人に一指をも染めさせないであろうと、善良にして慈愛に富む夫は述べたことだった。
烏啼天駆シリーズ・1 奇賊は支払う 青空文庫