さり気ない
さりげない
形容詞
標準
nonchalant
文例 · 用例
権右衛門はさり気ない顔で煙草を吸うていた。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
ところがわたしと並んで乗込んだ土地の人らしい乗客達は、女車掌が切符を切りに来ると、至極さり気ない済した風で、その行先をたゞ一言、「ペルリ。
— 牧野信一 『或るハイカーの記』 青空文庫
それにつれてK大や白鷹家の事に就いても、どんな出鱈目を臼杵先生に信じさせているか解らない……という心配から、夫人が内々で妻の松子に宛てて、臼杵病院の所づけで度々、ユリ子の行状に関するさり気ない問合わせの手紙を出したそうであるが、それは多分、彼女が握り潰したものであろう、一度も返事が来なかった。
— 夢野久作 『少女地獄』 青空文庫
間もなくお八重が訪ねて来て、さり気ない顔をして入つたが、『明日着て行ぐ衣服すか?
— 石川啄木 『天鵞絨』 青空文庫
この一見さり気ない現象の内に、私は、大きく云って、文化の新しい一つの動向を感じ取る。
— 戸坂潤 『友情に関係あるエッセイ』 青空文庫
かくてぞ漸くに暮れ行く空の、コバルトの色|黯みて、やがて暗く、かは誰の人顔も定かならぬ折柄、椽近く座を占めて仰ぐ軒端に、さり気ない釣忍の振舞いもなかなかに悪からず、眺め深いものだ。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
嘉吉はさり気ない風であつたが心のうちでは、かへつて無数の百貨店へ復讐したやうな気持ちでさへあつた。
— 林芙美子 『朝夕』 青空文庫
……と思うとその刑事は、さり気ない風情で、郵便車の前に佇みながら、改札口の方向を監視し始めた。
— 夢野久作 『山羊髯編輯長』 青空文庫
作例 · 標準
彼はさり気ない優しさで、困っている人を助ける。
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彼女がさり気なく置いた花瓶の花が、部屋を明るくした。
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彼のさり気ない一言が、私の心を軽くしてくれた。
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