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躍込

躍込
名詞
1
標準
文例 · 用例
葉山一帯の海岸を屏風で劃った、桜山の裾が、見も馴れぬ獣のごとく、洋へ躍込んだ、一方は長者園の浜で、逗子から森戸、葉山をかけて、夏向き海水浴の時分、人死のあるのは、この辺ではここが多い。
泉鏡花 草迷宮 青空文庫
)と云う声がうしろへ、ぱっと吹飛ばされる風に向って、砂塵の中へ、や、躍込むようにして一散に駈けて返った。
泉鏡花 歌行燈 青空文庫
踵を廻らし、猛然と飛入るがごとく、葎の中に躍込んだ。
泉鏡花 星女郎 青空文庫
」 聞きも果てず、満面に活気を帯び来った竜田は、飜然と躍込み、二人の間へ衝と立って、卓子に手を支いたが、解けかかる毛糸の襟巻の端を背後へ撥ねて、「可し、また例の筆法で苦しめたか、神月君、」 親しげに、「よく、僕を待っててくれました、もう大丈夫だ、心配をしたもうな。
泉鏡花 湯島詣 青空文庫
上口から躍込むと、あしのあとが、板の間の濡れたのを踏んで、肝を冷しながら、明を目的に駆けつけると、洋燈は少し暗くしてあったが、お杉は端然坐ったまま、その髷、その櫛、その姿で、小鍋をかけたまま凍ったもののごとし。
泉鏡花 註文帳 青空文庫
あと退りに跳返つた、中戸口から、眞暗に成つて躍込んだが、部屋の扉の外に震へる釘の如くに突立つて、拳を握りながら、「りんよ、りんよ、權平、權平よ、りんよ、權平。
泉鏡太郎 みつ柏 青空文庫
その往還にも、昔は、電信柱が行儀よく列んで、毎日|午近くなると、調子面白い喇叭の音を澄んだ山国の空気に響かせて、赤く黄く塗つた円太郎馬車が、南から北から、勇しくこの村に躍込んだものだ。
石川啄木 赤痢 青空文庫
彼は呆気にとられている女中を押除けるようにして、居間へ躍込むと、ビアトレスがたった一人、真青な顔をしてオドオドと戸口を視詰めていた。
松本泰 P丘の殺人事件 青空文庫