恩着せ
おんきせ
名詞
標準
文例 · 用例
よかよか、俺が善うしてやるち、うんと恩着せて置きましたたい。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
序に「些し困るけどお前のためなら」という恩着せがましい表情を鼻の御隅に添え付けておられる……といったような場面はちょいちょい拝見するようであります。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
けれども、それから後の、あなたの勇作さんに対する、恩着せがましい横暴な仕うちは、イクラ恨んでも恨み切れません。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
しかれども一人の上等兵に如何にも恩着せらるるが如くやさしく言はるるやうな位置に居るを思へば覚えずむつとして腹立たしくなりぬ。
— 正岡子規 『従軍紀事』 青空文庫
殿下に悪名を着せず、失せ物だけを取り戻したいのです」 女の探偵では心細いという横から、女なるが故に適当だと思ったといい、間々には恩着せがましいことをいって、王室との関係を誇示したり、華やかな生活の背後で、虚飾と陰険の爪を研いでいる、上流社会特有の円滑な言い廻しの示唆であった。
— 橘外男 『グリュックスブルグ王室異聞』 青空文庫
」こう語りながら教授はじっと旅人を見つめ、恩着せがましく堅苦しい態度で頭を下げました。
— 時代を超えた童話 『夕映えのむこうの国』 青空文庫
」 彼はどこか馴れ馴れしい感じで恩着せがましく老ドイツ人に頷いた。
— A. キングスフォード A. Kingsford 『犬酸漿』 青空文庫
……ところで、近藤」「はあ」「自分の口から申しては恩着せがましいが、こんどの恩典も、実はこの弥四郎が、それとなく君前へおとりなししたればこそ、お沙汰が下ったのだぞ。
— 第五分冊 『新書太閤記』 青空文庫