引き延ばし
ひきのばし
名詞
標準
文例 · 用例
」 紳士はだんだんそれを引き延ばしました。
— 宮沢賢治 『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 青空文庫
ねずみのしっぽを引き延ばしてひけば一弦琴になり、今まいた豆のつるをよじて天に登ることもできる。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
それはとにかく、額に紅を塗ったり、歯を染めたり眉を落としたりするのは、入れ墨をしたり、わざわざ傷あとを作ったりあるいは耳たぶを引き延ばし、またくちびるを鳥のくちばしのように突出させたりする奇妙な習俗と程度こそ違え本質的には共通な原理に支配された現象のような気がする。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
なげしにかかっている額といっては、黒住教の教主の遺訓の石版と、大礼服を着ていかめしく構えた父の写真の引き延ばしとがあるばかりだった。
— 有島武郎 『親子』 青空文庫
未来に引き延ばしがたきものを引き延ばして無理にあるいは盲目的に利用せんとしたる罪過と見る。
— 夏目漱石 『イズムの功過』 青空文庫
諸君子は已を得ず年にちなんで、鶏の事を書いたり、犬の事を書いたりするが、これは寧ろ駄洒落を引き延ばした位のもので、要するに元日及び新年の実質とは痛痒相冒す所なき閑事業である。
— 夏目漱石 『元日』 青空文庫
たゞ当時の彼を当時の儘引き延ばして、今の戦争に連続させさへすれば、それで両者の関係は可なり判然するのである。
— 夏目漱石 『点頭録』 青空文庫
其印象を平たく他に伝へ得る様な言葉に引き延ばして見ると斯うである。
— 夏目漱石 『『煤煙』の序』 青空文庫