聞き酒
ききざけ
名詞
標準
文例 · 用例
私達は旅の疲れで荷物にもたれたまま、ついうとうとしてゐたが、だしぬけに舷近く漕ぎ寄せて来た喰はんか船の癇高な呼声に、ふと目を覚して見ると、船の中には泣きむづかる子供に乳を含ませる女、仲よく徳利酒をくみ交す夫婦者、鼻高面を大切さうに持込んだ金比羅参り。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
二|人は利酒の上手らしく首を掉つて味つて見る。
— SANKT NIKOLAUS BEI DEN SCHIFFERN 『聖ニコラウスの夜』 青空文庫
僕に利酒をさせようと云うには、口へたっぷり一ぱい入れてくれなくちゃあ出来ない。
— FAUST. EINE TRAGODIE 『ファウスト』 青空文庫
そこには軍刀や、古代の鏡や、東洋の骨董や、伊太利酒の壜や、野蛮人の使用する料理鍋や、羽毛のような毛の生えた一匹のペルシャ猫や、そして小さい薄汚い、どう見てもこの場所に相応しくない一人の羅馬加特力の坊さんが居た。
— THE INVISIBLE MAN 『見えざる人』 青空文庫