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渺茫

びょうぼう
形容詞-たる副詞-と
1
標準
vast
文例 · 用例
若草ながら廣野一面渺茫として果しなく、霞を分けてしろ/″\と天中の月はさし上つたが、葉末に吹かるゝ我ばかり、狐の提灯も見えないで、時々むら雲のはら/\と掛るやうに處々草の上を染めるのはこゝに野飼の駒の影。
泉鏡太郎 二た面 青空文庫
いよいよ日本海に出ずれば、渺茫として際涯なく黒い海面は天に連なり、遥か左方は親知らず子知らずの辺ならん、海波を隔てて模糊の間に巉巌の直ちに海に聳立っている様が見える。
井沢衣水 本州横断 痛快徒歩旅行 青空文庫
眼界の達する限り煙波渺茫たる印度洋中に、二人の運命を托する此小端艇には、帆も無く、櫂も無く、たゞ浪のまに/\漂つて居るばかりである。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
見渡す限り雲煙渺茫たる大空に漂蕩して、西も、東も定めなき今、何時大陸に達して、何時橄欖島に赴き得べしといふ目的もなければ、其内に豫定の廿五|日も去つたならば、櫻木大佐も終には覺悟を定めて、稀世の海底戰鬪艇と共に、海の藻屑と消えてしまう事であらう。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
船が下流に落ちると、暮雲岸を籠めて水天一色、江波渺茫、遠く蘆が靡けば、戀々として鷺が佇み、近く波が動けば、アヽ鱸か?
泉鏡太郎 麻を刈る 青空文庫
旅馴れた身は野宿の覺悟で、幽に黒雲の如き低い山が四方を包んだ、灰のやうな渺茫たる荒野を足にまかせて辿ること二里ばかり。
泉鏡太郎 みつ柏 青空文庫
」 かなぐり脱いだ法衣を投げると、素裸の坊主が、馬に、ひたと添い、紺碧なる巌の聳つ崕を、翡翠の階子を乗るように、貴女は馬上にひらりと飛ぶと、天か、地か、渺茫たる広野の中をタタタタと蹄の音響。
泉鏡花 伯爵の釵 青空文庫
しかもそれは殆ど何の用を為さず、空しく渺茫たる海中に横わっているのである。
岡本綺堂 一日一筆 青空文庫
作例 · 標準
水平線の彼方には、渺茫たる海が広がっていた。
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彼の将来は渺茫としていて、まだ具体的な夢がない。
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渺茫たる自然の中で、人間は謙虚であるべきだ。
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