遅塚
ちづか
名詞
標準
文例 · 用例
一群の人たちは、遅塚麗水、大町桂月、江見水蔭、田山花袋、久保天随、坪谷水哉などであるが、花袋が紀行文家と言われた時分は、自然派文学勃興以前のことで、文章に感傷癖はあったが、淡泊清新、ことに武蔵野あたりの原野や雑木林の寂しさを、淡彩的に点描するのに巧みであった。
— ――田山花袋氏―― 『紀行文家の群れ』 青空文庫
このほか、徳田秋声、広津柳浪、小栗風葉、三島霜川、泉鏡花、川上眉山、江見水蔭、小杉天外、饗庭篁村、松居松葉、須藤南翠、村井弦斎、戸川残花、遅塚麗水、福地桜痴等は日露戦争、又は、日清戦争に際して、いわゆる「際物的」に戦争小説が流行したとき、それぞれ、こぞって動員されている。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
江見水蔭、小杉天外、泉鏡花、饗庭篁村、村居松葉、戸川残花、須藤南翠、村井弦斎、遅塚麗水、福地桜痴等がその作者だった。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
従軍紀行文的なもの(遅塚麗水「首陽山一帯の風光」)及び、戦地から帰った者の話を聞いて書いたもの(江見水蔭「夏服士官」)は、まだやゝましだとしなければならぬ。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
徳富|蘇峰、陸羯南、黒岩|涙香、遅塚麗水等の諸氏の作品は暫く問はず、山中未成氏の書いた通信さへ文芸的には現世に多い諸雑誌の雑文などに劣るものではない。
— 芥川龍之介 『文芸的な、余りに文芸的な』 青空文庫
遅塚麗水翁またかつてこのあたりに鄰を卜せしことありと聞けり。
— 永井荷風 『礫川記』 青空文庫
いやに兄貴ばかりを集めたようだが、このほかに、千葉亀雄、土岐善麿、矢部謙次郎、山根真治郎、遅塚麗水の諸氏……遅塚氏は、日露戦争の従軍記者の生き残りだ。
— 野村胡堂 『胡堂百話』 青空文庫
町の学者 若い時から、いろいろの文壇の話や文壇人のことを知る機会をもった私は、やや年をとってからでも、遅塚(麗水)なら知っているとか、田山(花袋)なら懇意だとかいったことを、少し憎らしい位、口にしたようである。
— 柳田国男 『故郷七十年』 青空文庫