病疾
びょうしつ
名詞
標準
文例 · 用例
現代の通用化した日本語が、時代の過渡期混亂によつて、悉く皆音痴的に病疾されたものだとすれば――正にまたその通りであるが――時代の新しい更生教育は、何より先づその醫療に努めねばならないのである。
— 萩原朔太郎 『ローマ字論者への質疑』 青空文庫
(弘法大師……) カーンと又鉦を叩いて、(御夢想の藥ぢやに……何の病疾も速かに治るで、買ひないな……丁ど、來合はせたは、あなた樣お導きぢや……仇には思はれますな。
— 泉鏡太郎 『淺茅生』 青空文庫
拓の打侘びたる言を聞いて、憂慮わしげにその顔を見上げたが、勇気は己が面に溢れつつ、「御心中お察し申しますが、人間は四百四病の器、病疾には誰だって勝たれませぬ、そんなに気を落しなさいますな。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
…… 形ある、形ない、形ある病疾、形ない悪業、罪障、それを滅するこの灸の功力ぞに。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
時すがら悪き病疾に罹れるやらむ、近寄りては面倒、と慈悲心無き男なれば遠くより素通りしつ。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
その二、三をあげれば、(第一)天寿をまっとうして死ぬのでなく、すなわち、自然に老衰して死ぬのでなくして、病疾その他の原因から夭折し、当然うけるであろう、味わうであろう生を、うけえず、味わいえないのをおそれるのである。
— 幸徳秋水 『死刑の前』 青空文庫
しかし長らく病疾にかかりてなお帰るがごとく斃るるは容易の業ではない。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
而して其病疾淵源する所、實に朝鮮が半上、落下、歸着する所なき半保護國たるの性質にありて存ず。
— 竹越三叉 『深憂大患』 青空文庫