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誂え向き

あつらえむき
形容動詞
1
標準
文例 · 用例
閑静な処をお望み、間数は多し誂え向き、隠居所を三間ばかり、腰元も二人ぐらい附く筈と、御子息から相談を打たっしゃると、隠居と言えば世を避けたも同様、また本宅へ居直るも億劫なり、年寄と一所では若い御婦人の気が詰ろう。
泉鏡花 草迷宮 青空文庫
こういうお誂え向きのがありますぜ」 今度は庄太がささやくと、半七はほほえんだ。
鬼娘 半七捕物帳 青空文庫
(――まことにお誂え向きにも、郊外風の割にガッシリした和洋折衷の建築だったのである。
渡辺温 或る母の話 青空文庫
それとは反対に無事江戸参覲を果して、久方ぶりでのお国詰を急いでいるらしい藩侯に違いないが、折も折に願うてもない道中行列が近づいて来たのはお誂え向きです
三河に現れた退屈男 旗本退屈男 第五話 青空文庫
ずばりと爽かに言いながら、目早く群衆を見廻していたが、近くに若いのが大いにイナセがって、三尺帯を臍のあたりにちょこなんと巻きつけていたのを発見すると、「お誂え向きじゃ。
京へ上った退屈男 旗本退屈男 第四話 青空文庫
なにしろ京の清水といえば昔から有名であり、長谷寺も江戸では有名であり、しかも時候は三月の桜どきで、郊外散歩ながらの御参詣にはお誂え向きというわけですから、繁昌したのも無理はありません。
夜叉神堂 半七捕物帳 青空文庫
そればかりでなく、ここらは寺の多いところで、お富士様を祀った真光寺を始めとして、例の駒込吉祥寺、目赤の不動、大観音の光源寺、そのほか大小の寺々が隣りから隣りへと続いていて、表通りの町々も大抵は寺門前であるから、怪談などを流行らせるにはお誂え向きと云ってよいのであった。
ズウフラ怪談 半七捕物帳 青空文庫
作り事のようであるが、恰もその夜は初秋の雨が昼間から降りつづいて、怪談を聴くには全くお誂え向きの宵であった。
岡本綺堂 寄席と芝居と 青空文庫
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