悽惻
せいそく
名詞
標準
文例 · 用例
我国平民の歴史は、始めより終りまで極めて悽惻暗澹たる現象を録せり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
親として子を殺し、子として親を殺す、大逆不道此の上もあらず、然るに斯般の悪逆の往々にして世間に行はるゝを見ては、誰か悽惻として人間の運命のはかなきを思はざらむ。
— 北村透谷 『鬼心非鬼心』 青空文庫
ひそかに部屋の戸を開きて外に出れば悽惻として情人未だ去らず、泣いて遠国に連よとくどく時に、清十郎は親方の情にしがらまれて得|応へず、然るを女の狂愛の甚しきに惹かされて、遂に其誘惑に従はんと決心するまでに至りし頃、中より人の騒ぎ出たるに驚かされて止ぬ。
— 北村透谷 『「歌念仏」を読みて』 青空文庫