藩制
はんせい
名詞
標準
文例 · 用例
貞固の養子房之助はこの年に手廻を命ぜられたが、藩制が改まったので、久しくこの職におることが出来なかった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
結婚の時私は二十八歳、妻は十七歳、藩制の身分を申せば妻の方は上流士族、私は小士族、少し不釣合のようにあるが、血統は両人共|頗る宜しく、往古はイザ知らず、凡そ五世以降双方の家に遺伝病質もなければ忌むべき病に罹りたる先人もなし。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
この明治三年は朝廷から再度の藩制の改革があって、これまでの大少参事の外、大属少属、史生、庁掌、を置かれて、なお、藩知事の職権も制限せられ、或る事件以上は一々朝廷の指揮を仰がねばならぬという事になった。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
しかるに長い戦国時代を経て藩制というものによって分割統一されて平和が来たときに、日本人は改めて藩民となり、祖神も源平も失って藩祖だけを持つようになった。
— 高麗神社の祭の笛――武蔵野の巻―― 『安吾の新日本地理』 青空文庫
沖縄のすぐれた学者であった伊波普猷君など王朝時代、藩制時代を経て明治になった当座の、明るくなった気持を主として書こうとしていたのではないかと思う。
— 柳田国男 『故郷七十年』 青空文庫
* 長州の旧藩制度には、家士にして河豚を食して死んだ場合は、家禄没取、家名断絶というきびしい掟があった。
— 吉川英治 『河豚』 青空文庫
中央集權の弊が極端に現はれて來た今日では、やはり昔の藩制度などには、今日にない特徴があつたと思ふ。
— 吉川英治 『折々の記』 青空文庫